ポケットマスク/バッグバルブマスク(BVM)とは

ポケットマスク(フェイスマスク)/バッグバルブマスクは人工呼吸を安全で効率的に行なうための道具です。

多くの市民向け心肺蘇生講習では、口対口人工呼吸を基本とした指導を行なっていますが、現実問題として、口対口人工呼吸は現在はほとんど実施されていません。

それは医療の世界を中心に、スタンダードプリコーション(標準防護策)と言って、「汗以外の人間の体液はすべて感染源である」と考え方が主流となってきたからです。

心肺蘇生の口対口人工呼吸で病気に感染したという報告はほとんどありませんが、他人の唾液に触れてまで人工呼吸をすることは医療従事者には求められていません。

そこで医療従事者をはじめとし、職業的に心肺蘇生をする可能性がある人は、ポケットマスク(フェイスマスク)やバックバルブマスクと言った器具を使って人工呼吸をすることになっています。

ポケットマスク バッグバルブマスク(BVM/バッグマスク)
左:ポケットマスク(フェイスマスク)/右:バッグマスク


医療界では標準の人工呼吸法 バッグバルブマスク

乳児のバッグバルブマスク(BVM)人工呼吸法練習バッグバルブマスク(バッグマスク)は、ふいごと同じ仕組みで傷病者の口と鼻に空気を送り込む人工呼吸器具です。商標が一般名詞化して、アンビューバッグと呼ばれることもあります。救助者の呼気を吹き込むわけではないので、仮に嘔吐があったとしても安全です。

救急隊や病院で行なわれる緊急人工呼吸はほぼ100%このようなバッグバルブマスクを使って行なわれています。医療従事者はもちろん、ふたり法CPRを行なう可能性がある方(介護施設にお勤めの福祉職や災害ボランティアを考えている方など)、バックマスクによる人工呼吸に習熟している必要があるでしょう。

BLS横浜 が提供するプログラムの中では、プロフェッショナル向けの一次救命処置コースであるAHA-BLSヘルスケアプロバイダーコースでのみバックマスク換気の練習を行なっていますが、その他のコースでも希望があれば、個別に指導しています。

日本の心肺蘇生法講習で、バッグバルブマスクによる人工呼吸法を指導するコースはほとんどありません。興味がある方はお申し出ください。


いつでも携帯したいポケットマスク

ポケットマスクを使った人工呼吸法トレーニングバッグバルブマスクは、救助者の身の安全という意味ではほぼ完璧な道具ですが、扱いには習熟を要するのと、やはり大きくかさばるという点から、突発的な緊急事態に備えて常時携帯するにはややオーバーです。

そこで安全かつコンパクトに使えるのが ポケットマスク です。これは傷病者の鼻と口を覆うフェイスマスクと、吹き込み口(マウスピース)からなっていて、傷病者からの呼気や嘔吐物が逆流しないように一方向弁やフィルターが付いています。

折り畳むとコンパクトに収納でき、専用のポーチにはベルト通しが付いていて携帯が可能です。プール監視員やライフセイバーなどは常に携帯しておきたいものです。

町中に配備されたAEDと一緒に用意されている場合もあります。

ポケットマスクを使った「口対マスク人工呼吸」は、口対口人工呼吸法より簡便かつ有効に行えます。しかしその取り扱いにはコツがありますので、きちんとした訓練を受けることをおすすめします。

BLS横浜が開催するコースの中では、AHAハートセイバーAEDコースBLSヘルスケアプロバイダーコース が最も効果的なポケットマスク使用訓練を含んでいます。

BLS横浜オリジナルコースでも希望に応じてポケットマスク使用訓練を行ないます。

小児用ポケットマスク

↑小児専用の小さなポケットマスクもあります



※ポケットマスクとは厳密にはレールダル社の商品名ですが、救急蘇生用フェースマスクを総称してしばしばポケットマスクと呼ぶことがあります。なおアメリカ心臓協会AHAは特定メーカーのフェイスマスクを推奨してはいません。


もっとコンパクトな、透明ビニールシートでできたフェイスシールドもありますが、これらは吐瀉物などをブロックする効果はありません。直接口を付けることへの心理的抵抗を減らす目的のものであって、感染防護具として救助者の身の安全を確保するものではありませんので、注意が必要です。



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